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読書感想文/マーケティング/広告/アメリカ市場など。基本的にフィクションです。

書評

叫び声

「することないなら、ワクワクすればいいんすよ」とは、職場の先輩の言葉です。自分の青春がどのような時代だったかを振り返ると、大概、根拠もなくワクワクしていたような気がするのですが、気持ちを昂ぶらせるだけで満足する、実態の無い妄想が一人歩きし…

【書評】ティファニーで朝食を(トルーマン・カポーティ)

あらすじ 第二次戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜明けに鳴らしたのは他なら…

青春小説の金字塔!【書評】横道世之介 (吉田修一)

概要(あらすじ) 大学進学のため長崎から上京した横路世之介18歳。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる。友の結婚に出産、学園祭のサンバ行進、お嬢様との恋愛、カメラとの出会い・・・。誰の人生にも温かな光を灯す、…

【書評】サラの柔らかな香車 (橋本長道)

感想 第24回小説すばる新人賞受賞作。 第23回受賞作の『国道沿いのファミレス』読了後にも思ったが、 朝井リョウの『桐島、部活やめるってよ』と同じ賞を受賞したレベルにある作品とは思えない。 天才、才能とは何か。壮大なテーマを求める姿勢は面白かった…

人間みたいな神様...【書評】いちばんわかりやすい北欧神話 (杉原梨江子)

概要 古代の北ヨーロッパ・ゲルマン世界で育まれた神々の物語は、 アイスランドで『エッダ』『サガ』として豊かに保存され、 欧州各地の数々の文学作品の礎となった。 北欧神話と僕 ロードオブザリングが一番有名だろうか。 北欧神話は数々の映画やゲーム、…

【書評】バイバイ、ブラックバード (伊坂幸太郎)

あらすじ 星野一彦の最後の願いは何者かに<あのバス>で連れていかれる前に、 五人の恋人たちに別れを告げること。 そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」ー これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。 なんと…

暴力の正体とは?【書評】限りなく透明に近いブルー(村上龍)

概要(あらすじ) 米軍基地の町・福生のハウスには、 音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。 そんな退廃の日比の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめくー。 感想 福生のハウスとは、福生市にある米空軍横田基地周辺にあった(元)米…

【書評】透明ポーラーベア 伊坂幸太郎

繋がってるね、とは、mixiの昔のCMの印象的なセリフで、 数年後にLINEが同じ趣向のCMを打ったけれどもオレンジのそれほどには印象に残らなかった。 あくまで個人的な印象に過ぎないが。 1対1のメッセージで繋がることより、1対Nで繋がることの難しさを人々は…

【書評】男ともだち 千早 茜

-------------- 関係のさめてきた恋人と同棲しながら、遊び人の医者と時々逢いびき。仕事は順調、でも何かが足りない――29歳、京都在住のイラストレーター神名葵。彼女の日常に七年ぶりに舞い戻ってきた、大学時代の先輩ハセオ。互いに恋人がいても、なぜかい…

【書評】トマトの話(五千回の生死) 宮本輝

------------- トマトを欲しながら死んでいった労務者から預かった、一通の手紙の行末。(巻末より) ------------- メタファーって便利で、本当に伝えたい事を表現できるときがある。直裁的に対象を詳細に説明するよりも、あえて視点を対象から外す事で読み…