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書評や妄想、ショートショート、エッセイなどを書きたいです。基本的にフィクションです。

【妄想】早起き

早起きがしたいです。でも、結局今朝も起きられず。
起きようと頑張るのですが、うんうんと唸るだけでアマレスラーもびっくりするくらい布団の上で寝返りをうって終わるだけ。
「もう、起きなきゃでしょー」と布団越しに体を揺すって起こしてくれる石原さとみをずっと待っています。
だめですね。きっと前世はヨーロッパ大陸の地主だったんだと思います。
甘えちゃうんですね、朝に。というより、自分に。

どうやったら早く起きられるのでしょうか。
以前、とあるお坊さんに質問したときに、「すごくシンプルですよ、早く寝れば良いんです」と言われました。で、早く寝てみたんですけど、早く起きられないんですね、これが。

本当に不思議で。
 
1時に寝ても11時に寝ても起きるのは結局、8時なんですよ。
7時間睡眠で足りると考えれば、1時に寝れば8時に起きて、11時に寝れば6時に起きられるはずなんですけど。
不思議です。起きられない。
もう、全然シンプルじゃないんですよ。
人生はSimpleじゃないんです。
誰だ、シンプルに生きようとか言っているのは。
もう、不思議でいっぱい。
そりゃあ、人生がシンプルだったら良いなぁとは思うんですけど、
みんながみんなシンプルに生きていたらつまんなくないですか。
ゲームだって多少難しいから攻略のしがいがあるのであって。シンプルだったら面白みがなくて大半が途中放棄ですよ。人生の途中放棄はつらいですよ。つまり自殺ですからね。
こういう、理屈で説明できない不思議な出来事が人生を面白くしてくれのではないでしょうか。

何の話だっけ。

早起きがしたいです。哀川翔には勝てなくてもいいけど、太陽には勝ちたい。
なんで早く起きたいかというと、まあ、某スターバックスのCEOが早起きだったりとか、
21世紀の歴史は朝に作られるとか、某ナイキのCEOは早起きだとか、全部同じ記事なのですが。
http://lrandcom.com/why_starbucks_ceo_get_up_four_thirty_in_the_moring

啓発系に感化されやすいんです。

あと、強いて言うなら、先日実家に帰ったら父が超絶早起きになっていたとかですかね。
5時45分に起きているんですよ。お前はなんのCEOやねんと。

僕は実家では床に布団を敷いて寝るスタイルなのですが、朝になると愛犬がカツカツとやってきて
ぺろぺろと寝ている僕の顔をぺろぺろするんです。ぺろんちょって。おま、やめろよーって感じで、もう超可愛いの!もう石原さとみなんていらない!
僕はそんなスタイルで愛犬に起こされるのですが親父はむしろ愛犬より先に起きています。
動物より起きるの早いの。もはや猿。しかも土曜日も日曜日も。

で、僕が東京に帰る日に、祖母含めて両親とお茶をしたのです。
コメダコーヒーで。そこは残念ながらスターバックスでなく。
名古屋の人はどうしてみんなコメダで涼もうとするのかな。

祖母は認知症が進んでいて、今朝のこともあまり覚えていないようで。
だからもしかしたら僕のことも覚えていないんじゃないかなーと思いつつ、それを確かめる勇気もなく。
クサいモノには蓋をせんとばかりに適当な話で時間をつぶしつつ、
出てきたアイスクリームも食べるというより片付けるに近い緊張感の中、
「この子は誰か分かりますか?」と僕を指差して母が祖母に尋ねたときはドキドキしましたね。
嫌な汗が止まらなかったもん。ぶっ込みすぎでしょーと思いながらも
「分かるよ、しょうちゃんでしょ」と祖母が言ってくれたときは安心しました。
「話があるんだけど」って彼女に呼び出されて「話って何?」って平静を装いながらアイスコーヒーのストローを口元に運ぼうとして、でも手がぶるぶる震えているから四方に水滴飛ばしながら相手の話を待って「引っ越そうと思ってるんだけど、どこが良いと思う?」とか言われて、なんだ別れ話じゃないのかとかあのときの浮気がばれたのかと思ったとか余計なことを口に出そうとするくらいには安堵しました。

なんでも認知症の進行を遅らせるには散歩と会話が良いそうで。
それで、父は毎週末、朝早くに起きて祖母と二人で公園まで散歩し、喫茶店で朝食を食べるのだとか。
それを聞いた瞬間、いろいろな感情が沸き上がってきて、親子愛だとか、普段そっけない父が生活習慣を変えてまで行動する姿だとか、父が押す玄関のチャイムを待つ祖母だとか、その祖母は父の行動をどのように感じているのだとか、そういった二人の積み重ねももしかしたら病のせいで忘れられてしまうのではないかとか、父に対しても祖母に対しても色々な感情が破裂する気泡みたいにぷつぷつと沸き上がってきて、つまり、祖母にとっての石原さとみは父になるわけなんだな、と沸き上がる感情がまとまった瞬間、なんだか二人を羨ましく思いました。
 
 
 
基本的にフィクションです。