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もしも高校時代の友人から十数年ぶりに電話がかかってきたら...|タックスヘイブン

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もしも高校時代の友人から十数年ぶりに電話が急にかかってきたら、あなたはどう思うだろうか。

僕ならネットワークビジネスの勧誘を疑う。

 

そんな警戒心の強い僕にこの小説が教えてくれることはなんだろう。

それは、法律家のチェックを受けないどのような書類にもサインしないこと。

 

そんな教訓から物語は始まる。

 

タックスへイヴン Tax Haven (幻冬舎文庫)

 

貪るように読んでしまった。

高校時代の友人と情報を追い求める旅とも言える。

インテリジェンス小説なんてジャンルがあることを知らなかった。

 

とても面白い金融犯罪ハードボイルド小説。

国際金融、租税回避を題材とした小説。

国際金融や課税制度についての知識がなくても一気読みができる作品。

洒落ていながら息苦しい。

金融サスペンス。

 

物語は主人公の携帯に、高校時代の友人から電話がかかってくるところで加速していく。

 

もしも高校時代の友人から十数年ぶりに電話が急にかかってきたら、あなたはどう思うだろうか。

 

いきなり友達から電話がかかってきたら?

そして、その友達が高校時代に気になっていた女の子と一緒に海外にいたら?

事件に巻き込まれているようなので、助けに入ったら、底なし沼の事件だったら?

もはや国家を超越するスケールが大きすぎる陰謀に、自分が巻き込まれているとしたら?

どうやって生き延びようかと必死になるだろう。

そこで主人公はこんな言葉を送る。


「だったらゲームのやり方を教えてやるよ」古波蔵は唇を歪めた。「なにが起きているかわからずおろおろする奴がいちばん最初に脱落するんだ。生き残るためにはルールを習得し、コマの配置をすべて把握して、先回りしてゲームを支配しなきゃならない。お前にできるのか?」

 

混沌とするゲームを生き延びるには、先回りして支配しなきゃならない。

 

 

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