ファイナンスアレルギーを克服したい全ての人に捧ぐ!一生モノのファイナンス入門![書評]
一生モノのファイナンス入門という本を読んだのでご紹介します。
「数値が苦手」「決算書を前にすると目がチカチカする」「いつかはファイナンス知識をつけたいと思っているけど...」などなど。
そんなファイナンス/決算書アレルギーを克服できる良質な入門書です。
僕も決算書などに苦手意識を持っていたのですが、本書を読了以降、「これからは目を通してみようかな」と思えるようになりました。
財務諸表を読めるようになりたい!という人にとってもオススメです。
それではご紹介します。
財務諸表がキレイに分解されていて分かりやすい
賃借対照表(BS)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(CF)、それぞれの役割がシンプルにまとめられているので、とっかかりとして非常にわかりやすかったです。
たとえば、決算書アレルギー患者にとって一番の悩みの種である賃借対照表。「左右のバランスが取れるようになるからバランスシート」みたいな知識は多少あったりするのですが、いかんせんどこから見始めたらいいのか分からない...
そんな賃借対照表も、「5つの箱」だけ押さえてしまえば楽勝!と軽々と悩みの壁を乗り越えていくのが本書の特徴です。ちなみにキャッシュフロー計算書は「3つの袋」を押さえてしまえばいいとのこと。そんな感じです。
賃借対照表自体は大きく「左側」と「右側」に分かれていて、左側に2、右側に3つあり、左側は資産の部で、資産には流動資産と固定資産があって...と、基本的な部分を丁寧に教えてくれています。詳細は本書を開いてみてください!
チェックポイントが端的にまとまっている
それぞれの「見方」が分かったはいいけど、そこからなにをどうやって分析すれば良いのかわからない...
そんな症状にも本書はきちんと救いの手を差し伸べてくれます。
たとえば、またまた賃借対照表ですが、それぞれの「箱」を組み合わせることで企業の状態をチェックできるのとのこと。
たとえば「負債」と「純資産」のバランスを確認して、純資産が占める割合が大きければ安全な企業経営の状態といえる、など。その他にもいくつかのチェックポイントを設けてくれていて、スッと頭に入ってきます。
具体例が示されているのでイメージしやすい
実在する企業の財務諸表の分析結果が載っているので、これまで抽象的に理解したつもりでいた内容を、実践的に学び直すことができます。
ネットでも手に入れることができる決算書を基にしているで、気軽にチャレンジできるところも良いです。
まとめ
企業分析や業界分析も、決算書を使ったほうが深く分析できることがあります。しかし、どのようにしたら良いか分からない。ので、無意識のうちに決算書から距離を取り、次第に苦手意識を抱いていく...
「分からない」が決算書アレルギーの正体だったのですが、それがこの本のおかげで(少しは)克服できたような気がします。
本書はただ単に決算書の読み方が分かるようになるための本ではなく、「ファイナンス視点」で世の中が見られるようになることが本書の最大の魅力です。
今回はあまりそこらへんに触れられませんでしたが、むしろそここそが本書の一番大事なメッセージですので、是非とも手にとって読んでみてください。