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読書感想文/マーケティング/エッセイなど。基本的にフィクションです。

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Happy Wedding Onigiri

「俺が握ったおにぎり、食べられる?」突然の質問だった。土曜の昼下がり、幼馴染のタケの結婚披露宴。旧友たちが囲む円卓を突き破る、竜太の突飛な質問。「どうしたの、急に?」高砂に座る新郎のタケと新婦を横目に、軽やかに談笑していただけに、あまりに…

自堕落な曲

Miley CyrusのWe can't stopが好きです。「私は私のやりたいようにやる、誰も私たちを止められないわ」といった内容の、若者の勢いそのままの歌詞なのですが、単なる軽薄なパーティーソングに終始していないところに好感を抱きます。 マイナーな曲調の影響か…

トイレへの思い

トイレに対して、人並み以上の思い入れがあります。なぜそうなったのかは判然としませんが、恐らく人並み以上にトイレが近いからでしょう。「ザイオンス効果」をご存知でしょうか。接する回数が増えるほど、親しくなる作用です。僕とトイレの関係は、単純接…

部屋について ふたりごと

お題を与えられると、カーペットの染みのように、その一点を中心にジワジワとイメージが広がっていくのですが、テーマを選べと言われると、なかなか難しいものがあります。興味深いテーマとは何か、それは書き切れるものなのか、面白いのか、等々。 選んだ後…

諦め

2月は7月ではないし、手に入れることと、諦めることは、別問題だ。しかし、優しさは違う。 何かを諦めると、漏れなく優しさが手に入る。 それは焦燥のトンネルから抜け出すことで得られる、一時的な解放感かもしれない。脇道にある、タバコの休憩所でたむろ…

毎日の仕事柄

仕事柄、通勤には電車を使います。基本的に毎日、同じ駅を利用します。 不思議なもので同じ駅を毎日利用しても、景色は毎日違うのですね。道行く人々の服装も、茹だるような熱気と呼応するように移ろいを見せます。 「D判定じゃないか」と学生服の少年は興奮…