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読書感想文/マーケティング/エッセイなど。基本的にフィクションです。

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

オスマン帝国の復興

『大世界史』を読んで 世界史を学ぶことで、これまで点在していた各国の今の動きが、線で結ばれた気がした。 『大世界史』の本の趣旨はまさにそこで、起きている事象の背景、つまり歴史を理解することで、現在の立ち位置を正しく把握する。そして、流れの中…

Photograph

大好きな写真がある。 父が、まだ赤ちゃんの頃の弟を、川辺で不器用に抱きかかえている写真。 小さな体の脇の下を、両手で挟むようにして掬い上げる父の顔はぎこちない。 痛いのか怖いのか、弟は顔をくしゃくしゃにして泣いている。 写真の中では、父はいつ…

小僧の神様

--- それは秋らしい柔かな澄んだ陽ざしが、紺の大分はげ落ちた暖簾の下から静かに店先に差し込んでいる時だった。〜 「おい、幸さん。そろそろお前の好きな鮪の脂身が食べられる頃だネ」 --- 一文で季節と情景を描き、一言で味覚を刺激する。こんな端的に五…

マーケティングと共に フィリップ・コトラー自伝

『マーケティングと共に フィリップ・コトラー自伝』を読んだ。帯に記された謳い文句にふさわしい内容だと思う。 ◆「コトラーの原点に迫る最高の教科書」原点とはつまり、著者の生い立ちや思想の転換期を意味するが、著者本人の言葉で自身の家族、青年時代、…